政宗は幸村を組み敷いた。幸村もまた政宗の背中を抱き寄せる。それほど固く身を寄せあっては情を交わすことが難しいほど、固く固く。
夜着を脱がすのが面倒だとばかりに、腰を動かして帯を緩くする。その隙間から、すべてをさらけ出した。政宗は枕元に用意してあったふのりを右の指先にたっぷりとつけて、左手で幸村の裾をめくる。
「あ・・・!」
奥に指を入れ、容赦なく責め立てる。幸村はそれまで見つめ合っていた目を細めて、必死に身体の力を抜く。政宗は最早堪えきれなくなって、自身を幸村の奥に突き入れた。
政宗は、心底愛おしげに幸村の髪を撫でた。さらり、と芯のある黒髪が流れる。
情事のあとのけだるい時間を、幸村は政宗の胸の上で過ごしている。
「南方にはこの世の祇園精舎があると言う。見てみたいと思わぬか」
政宗のゆるりとした問いかけに、幸村は視線を上げて目を合わせた。
「極楽のような景色でしょうな」
「それよ。この度の出兵は、太閤の斯様な欲によるものであろ。・・・なぜ交易しようと思わぬ」
「信長公を、意識しているのでしょう」
幸村は、戦以外になんの手段があるのだろうと思ってしまう。だがそんな、別の考えを、夢を示す政宗だからこそいとおしい。
(きっとわたしとあなたの道は必ず別れるけれど)
(どうかあなたは、しあわせに)