このところ、政宗の審美眼は変容しつつある。多くの老翁が見るように、とうとう儂もこの域を辿るか。政宗は哀しみをおぼえる。しかし政宗にとって美を知ることは、いつまでも歓びであった。絢爛たる金銀よりも、おまえの腐りおちた土こそをうつくしいと、思う。










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大助は、父によく似た面差しの、しかしやや老けて見える穏やかな男が父を連れて行ってしまう気がして恐れを抱いていた。誰に話すでもなく、会ったことのない伯父だと信じていたが、果たしてそれは大坂の陣に臨んだ父の姿であった。











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少し酔った、と信繁は思った。血の臭い が充満して、毛穴のひとつひとつにすら沁みるようだ。よくないな。肺の腑から深く息を吐く。落ち着かなければならない。気を抜くと負ける戦など、死など望 まない己が顔を現す。勝って乱をひろげたい。その愉しみから目を逸らすため、信繁はくちびるを引き結んだ。










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